フリーランス必見!所得補償保険の仕組みと活用法

フリーランス向けの所得補償保険の仕組みを解説するイラストバナー。パソコンを操作する女性と補償シンボルが描かれている
目次

収入ゼロになるリスクに備えていますか?

フリーランスや個人事業主として働く人にとって、自由な働き方や時間の使い方は大きな魅力です。しかし一方で、会社員と違い「守ってくれる制度」が少なく、病気やケガなど予期せぬトラブルが起きたとき、収入がゼロになるリスクと常に隣り合わせです。

たとえば、インフルエンザやぎっくり腰で1週間寝込んだだけでも、仕事の納期に支障が出てクライアントを失ってしまうこともあります。もしもそれが1ヶ月、2ヶ月…と続いたらどうなるでしょうか。

そんな「もしも」に備えるための保険が「所得補償保険(しょうとくほしょうほけん)」です。


会社員とフリーランスの“守られ方”の違い

会社員であれば、病気やケガで働けなくなった場合でも、以下のような制度によって一定期間の収入が保証されます。

制度名対象給付内容
傷病手当金健康保険加入の会社員等給与の約2/3を最長1年6ヶ月支給
労災保険業務上のケガ等治療費・休業補償等
有給休暇法定傷病時でも給与が発生
雇用保険(失業給付)退職・休業時一定期間の給付あり

しかしフリーランスは、基本的にこれらの制度の多くが適用外です。

  • 傷病手当金 → ✕対象外
  • 労災 → ✕原則対象外(※特別加入が必要)
  • 有給休暇 → ✕制度なし
  • 雇用保険 → ✕加入不可

つまり、収入減=即生活危機という構図が成り立つのです。


それでも多くのフリーランスが無保険な理由

実は、多くのフリーランスや自営業者が「所得補償保険」について正しく理解しておらず、未加入のまま働いています。その理由としては以下のような誤解や盲点が挙げられます。

よくある誤解

  • 「自分は健康だから大丈夫」
  • 「そもそもそんな保険があることを知らなかった」
  • 「保険料が高そうだから様子見している」
  • 「収入が不安定だから入っても意味がないと思っていた」

実際には、月数千円の保険料で月額20万円〜30万円の補償が受けられる保険も多く、比較的安価にリスクヘッジができます。


フリーランスが陥りやすい“生活破綻”のリスク

以下は、所得補償保険に未加入だった場合の想定ケースです。

ケース:40代フリーランスエンジニアAさん

  • 年収:600万円(月50万円)
  • 備え:貯金100万円のみ
  • トラブル:急性膵炎で2ヶ月入院+自宅療養
  • 結果:
    • 売上ゼロ → 月100万円消失
    • プロジェクト遅延 → クライアント解約
    • 生活費と医療費で貯金も尽き、家族の生活にも影響

このとき所得補償保険に加入していれば、月20〜30万円の補償が得られた可能性がある。

所得補償保険とは?フリーランスの“収入保険”

所得補償保険とは、病気やケガで働けなくなった際に、一定期間「所得の一部」を補償してくれる民間の保険商品です。

会社員の「傷病手当金」と似た仕組みですが、フリーランスはその制度がないため、自ら加入する必要があります。


所得補償保険の基本構造

項目内容
支給対象働けない状態が一定期間続いた場合(入院・自宅療養など)
支給金額月額10万円〜50万円程度(契約内容による)
保険料月2,000円〜6,000円前後が一般的
支給期間最長1年〜5年(商品により異なる)
加入条件健康状態の告知・収入証明などが必要

仕組みのイメージ

[ 事故・病気が発生 ]

[ 医師の診断書提出 ]

[ 一定の待機期間(例:7日間) ]

[ 所得補償保険から給付金(月額×期間) ]

所得補償保険の3つのメリット

メリット①:働けない間の「生活防衛線」になる

フリーランスは休んだ日=収入ゼロという状況に直面します。
所得補償保険があれば、毎月の家賃・食費・光熱費など最低限の生活費を確保できます。

【生活費の内訳イメージ(単身者)】

項目月額目安
家賃80,000円
食費30,000円
光熱費10,000円
通信費8,000円
雑費12,000円
合計約14万円

→ 月額20万円の補償があれば、これらをまかなうことが可能。


メリット②:長期療養でも事業継続の道が残る

たとえば数ヶ月の療養が必要になった場合、保険給付があれば事務所の賃料や外注費などの固定費を維持できるため、廃業リスクを軽減できます。

また、回復後の仕事復帰もしやすく、「事業を一度止めずに済む」=信頼維持にもつながります


メリット③:医療保険とはカバー範囲が違う(補完関係)

医療保険は「入院日額」や「手術費用」に対して給付が行われるのに対し、所得補償保険は「働けないこと」に対して給付されます。

項目医療保険所得補償保険
補償対象入院・通院・手術費用働けない期間の収入補填
支払方法一時金・日額月額支給
生活費の補填✕ 不可◎ 可
節税効果△ 控除対象○ 経費算入も可能(事業用)

両方に加入しておくのが理想です。補償範囲が違うため、併用しても無駄になりません。


所得補償保険の節税的メリットも見逃せない

所得補償保険の保険料は、「業務の継続を目的とした支出」であれば、個人事業主の必要経費として処理できる場合があります(ただし、契約内容や税理士の判断に依る)。

これは医療保険や生命保険とは異なる大きな違いです。
節税とリスクマネジメントの両立ができる点は、特に事業所得者にとって魅力です。

所得補償保険を選ぶときの5つのチェックポイント

1. 補償月額の上限

補償される金額は、過去の所得実績をもとに上限が設定されます。自分の平均月収より高額な補償額は選べません。
例:年間所得360万円 → 月額30万円程度まで

2. 待機期間(免責期間)

保険金が支払われ始めるまでの「待機期間」は重要です。以下のように差があります:

待機期間特徴
7日早期から補償が始まる(保険料高め)
14日標準的。中期以上の療養に対応
30日長期補償向け。保険料は安め

3. 補償期間

「どのくらいの期間補償されるか」も商品によって違います。長ければ安心ですが保険料も上がります。

補償期間対象
1年急性疾患など短期療養
2年〜5年精神疾患・慢性病の長期療養にも対応

4. 保険料とのバランス

あくまで「生活を守る」ための保険なので、保険料が高すぎると本末転倒です。月2,000円〜4,000円程度がフリーランスに人気の価格帯。

5. 加入条件・審査内容

  • 健康状態の告知義務あり
  • 過去の既往歴や精神疾患歴で加入を断られることもあり
  • 年収や確定申告書類の提出を求められる場合あり

【2025年版】人気の所得補償保険 3社比較

項目A社(医療系特化)B社(バランス型)C社(節約志向)
月額保険料(30歳)約3,500円約2,800円約1,980円
補償月額20万円20万円15万円
待機期間7日14日30日
補償期間最長2年最長5年最長1年
加入条件健康診断書不要告知あり年収証明必要
特徴通院保障ありバランス重視保険料が安い

👉 保険料・補償期間・加入のしやすさを総合的に判断しましょう。


ケーススタディ①:WebデザイナーAさん(30歳女性)

収入:年収400万円(月収約33万円)
補償プラン:月額20万円・待機14日・補償2年/月額保険料:約3,000円

状況:椎間板ヘルニアで2ヶ月仕事ができず

結果:2ヶ月間で保険金40万円を受給 → 家賃や生活費を確保でき、復帰後もクライアントを維持できた。


ケーススタディ②:動画編集者Bさん(40歳男性)

収入:年収700万円(月収約58万円)
補償プラン:月額30万円・待機7日・補償1年/月額保険料:約5,500円

状況:うつ病で3ヶ月休職、入院・通院を繰り返す

結果:合計90万円の給付を受けるも、保険の補償期間を延ばしておけば…という後悔が残った。


所得別シミュレーション:自分にはいくら必要?

月収必要補償額目安備考
20万円10万〜15万円単身・最低限の生活費確保
30万円15万〜20万円都心部在住・固定費高め
50万円25万〜30万円家族持ち・事務所維持費含む

所得補償保険の加入ステップ【初心者向け】

ステップ①:収入と必要補償額を把握する

  • 直近1年の確定申告書類(青色申告決算書 or 収支内訳書)を確認
  • 「最低限必要な生活費」から補償額を逆算する(月15万〜30万円が目安)

ステップ②:複数社の見積もりを比較

  • 比較サイトや保険代理店、FP相談などを活用
  • 「待機期間」「補償月額」「保険料」のバランスを確認

ステップ③:申し込み・健康状態の告知

  • ネットまたは書面で申込
  • 健康告知書(過去の病歴・現在の通院有無など)を提出
  • 保険会社によっては追加の診断書・収入証明が必要

ステップ④:審査・契約成立・給付開始

  • 審査には1週間〜10日程度
  • 承認後、契約内容の確認・支払い開始(月払/年払)
  • 保障開始日は契約日から数日〜数週間後になることも(要確認)

よくある質問(Q&A)

Q1:フリーランス1年目でも加入できる?

👉 可能です。ただし「直近の収入証明」が必要な場合が多く、開業届や開業年の収支見込みが必要になるケースもあります。


Q2:精神疾患でも給付される?

👉 商品によります。補償対象に「うつ病」などが含まれる商品もありますが、待機期間が長く設定される契約初期は対象外などの条件があります。


Q3:副業でも加入できる?

👉 「本業」が会社員であれば、傷病手当金などとの重複の関係に注意。副業収入を対象にした補償は商品によって制限されることも。


Q4:保険料は経費になる?

👉 基本的には「業務に関係する補償」であれば、必要経費にできる可能性があります(税理士に要確認)
医療保険や生命保険とは異なり、実務に直接結びつく点が評価されやすいです。


所得補償保険の活用まとめ【一覧】

ポイント内容
加入対象者フリーランス・個人事業主全般
補償内容働けない間の「収入補填」
月額保険料約2,000〜5,000円
補償額目安月10万〜30万円程度
活用メリット生活防衛・事業継続・節税効果
加入の流れ見積→申し込み→審査→契約

今日からできる3つの行動プラン

  1. 収支と生活費を洗い出す(最低限の補償額を知る)
  2. 保険会社の比較サイトでプランをシミュレーション
  3. FPや税理士に「経費にできるか」相談しておく

まとめ:フリーランスだからこそ「自分で守る」

所得補償保険は、会社の制度に頼れないフリーランスにとって、数少ない“自分の収入を守る保険”です。
万が一に備えることは、プロとしての責任であり、将来の安心にもつながります。

加入していなければ、病気やケガで仕事ができなくなった瞬間に、生活が立ち行かなくなるかもしれません。
たとえ短期間でも、「備えがある」というだけで大きな安心感を得ることができます。

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