はじめに
フリーランスや個人事業主として働いていると、会社員と違って社会保障が手薄で将来が不安…そんな声を多く聞きます。
特に「万が一の病気やケガ」「老後の資金」「遺された家族」への備えは、自分で選び、自分で守らなければなりません。
この記事では、フリーランスが本当に加入すべきおすすめ保険をランキング形式でご紹介し、
「保障内容」「保険料」「節税効果」などを税理士の視点から詳しく解説します。
なぜフリーランスには保険が必要?
会社員とフリーランスを比べたとき、以下のような違いがあります。
項目 | 会社員 | フリーランス |
---|---|---|
健康保険 | 会社が半額負担 | 全額自己負担(国保) |
厚生年金 | 強制加入 | 国民年金のみ |
傷病手当金 | あり | 原則なし |
雇用保険 | 加入 | 原則未加入 |
退職金 | あり | 自分で準備が必要 |
つまり、フリーランスは保険でカバーすべきリスクが非常に多いのです。
ランキング選定の基準
フリーランス向けに保険を選ぶうえで重要なのは、次の5つの観点です。
- 病気・ケガなどの備え(医療保障)
- 万が一の死亡保障(生命保険)
- 働けない期間の収入補填(就業不能保障)
- 老後資金の形成(積立・年金型保険)
- 節税メリット(所得控除・損金計上)
これらをバランスよく評価し、ランキング形式で紹介します。
フリーランス向けおすすめ保険ランキング
第1位:小規模企業共済(中小機構)
- 目的:退職金準備+節税
- 保険料:月1,000円~7万円(全額所得控除)
- 節税:◎◎◎(掛金全額控除+退職所得扱い)
【解説】
フリーランスにとって最強の節税+退職金制度。中途解約リスクはあるものの、20年以上の長期加入なら元本以上が戻るケースが多く、資産形成と税負担軽減を同時に実現できます。
第2位:都道府県民共済/全国共済
- 目的:医療・死亡保障
- 月額:2,000円~4,000円程度
- 節税:×(所得控除対象外)
【解説】
保険料が非常に安く、シンプルでわかりやすい内容。健康な若年層にとっては非常にコスパがよい選択肢。コストを抑えて最低限の保障を得たい人に最適です。
第3位:収入保障保険(就業不能保険)※民間保険会社各社
- 目的:働けない期間の収入補填
- 保険料:月2,000円~8,000円(保障額による)
- 節税:△(一般生命保険料控除)
【解説】
フリーランス最大のリスク「働けなくなること」に備える保険。入院やうつ病など就業不能時に、月額10万~20万円を受け取れる設計が可能。所得保障型の保険は、特に1馬力世帯には強く推奨。
第4位:iDeCo(個人型確定拠出年金)
- 目的:老後資金形成+節税
- 拠出額:月額5,000円~68,000円
- 節税:◎(拠出時:全額所得控除/運用益非課税)
【解説】
老後資金の積立+節税の王道。掛金は全額所得控除となり、運用益も非課税。60歳まで引き出せないという制約があるため、老後目的で割り切って加入すべき制度。
第5位:終身医療保険/がん保険(民間保険会社)
- 目的:高額医療に備える
- 保険料:月額1,500~5,000円
- 節税:△(一般生命保険料控除の対象)
【解説】
国民健康保険でも高額療養費制度はあるが、入院日額保障やがん診断給付金など、民間保険でしかカバーできない部分も重要。必要最低限の保障だけをピンポイントで備えるのが賢い選び方。
保険を選ぶ際の注意点とアドバイス
✔ 保険は「目的別」に分けて検討する
「医療」「死亡」「老後」「収入補填」などの役割を明確にし、ひとつの保険ですべてをカバーしようとしないのが鉄則。
✔ 必要保障額は人によって違う
子供の有無、パートナーの収入、自宅の有無などによって必要保障額は変わります。保険料は月収の5〜10%が目安。
✔ 節税メリットの有無も比較する
同じような保障内容なら、「所得控除」や「損金処理」できる保険が優先です。
まとめ
フリーランスにとって保険は「もしもの備え」であり「将来の資産形成」でもあります。
この記事で紹介した5つの保険は、実際に多くのフリーランスが利用している人気の保険ばかりです。
**「いまの自分に必要なリスク対策は何か?」**を考え、節税も意識しながら、自分にぴったりの保険を選びましょう。